S&A
デンタルクリニック
診療データ
S&A
DENTAL CLINIC
診療データ
当院は2014年4月2日に開業し、これまで多くの患者様にご利用いただきました。
その中でも、口腔内の状況を細かく診査された患者様の状態を集計いたしましたのでご報告いたします。
報告の主な目的は以下の3つです。
- 歯科診療所の利用目的の多くが健康維持ではなく、悪化したものの対処になっている現状をご理解頂きその改善に寄与したいため。
- 俯瞰的なデータの提示により、患者様自身の健康観を向上して頂くため。
- 当院の歯科診療に対する考え:「多角的な視点から口腔を捉え、1人1人の患者様の健康を長期に確立させるために日々の診療を行う」ということをご理解頂く一助として。
初診時の口腔状態
1.むし歯の本数
DMFTとは一人当りのむし歯経験本数です。
年齢が重なるとむし歯の存在が増えています。新たなむし歯の発症がコントロールされていないことが予想されます。個々のリスク検査に基づいた予防プログラムでむし歯の発生はコントロールできるので、定期的な歯科受診に結びつけて頂きたいと思います。一度むし歯になってしまった歯はむし歯治療を繰り返さないことがとても大切です。
2.歯周病の進行度
年齢が重なるほど歯周病の進行は増している傾向にあります。また、多くの歯周病は慢性的に緩やかに症状が進行しますが、まれに若い年齢でも急激に症状が進んでしまうケースがあります。歯周病もリスクを把握して定期的な管理を行えば症状を進行させないことができますので、いずれにしても早めの対応が必要な病気です。
当院で起きた
抜歯事例について
2014年度当院では38例(26名)の抜歯事例(親知らずの抜歯は除く)がありました。
歯に問題が起こった時に我々がまず考えることはその歯の保存です。ただし、むし歯や歯周病の著しい進行がある歯や歯自体が割れてしまったものは残念ながらどんな手を尽くしても現状の技術では保存することができません。38例の状況を共有させて頂いて、皆様の大切な歯を保存する一助になれば幸いと考えております。
1.抜歯の理由
- むし歯によるもの:16例(42.1%)
- 歯周病によるもの:12例(31.6%)
- 破折によるもの10例(26.3%)
破折とは歯が折れてしまうことですが、多くの場合はむし歯治療で歯が削られて強度が落ちた歯に起こります。ですから、むし歯を起こしたくない、むし歯治療を繰り返したくない、と我々は強く望むのです。歯周病も歯を失う大きな原因ですが、むし歯も歯周病も早期に管理をすれば防げる疾患なので早めにかつ定期的なかかりつけ歯科医の受診をぜひお願いいたします。かかりつけ医がない方はぜひ当院へお越しください。
2.抜歯された患者年齢
半数近くの抜歯事例は55歳以上の年齢で起きています(16例、42.1%)が、各年代で抜歯事例が確認できます。
- 20歳でむし歯を0本にするために小児期から定期的な歯科受診をしましょう。
- むし歯治療は繰り返すうちに歯の寿命が縮まり抜歯の確率が上がります。自身のリスクを把握し、適切な予防プログラムを早期に実践しましょう。
- 歯周病で失われた組織は(現状では)再生できません。症状の改善後に定期的なクリーニングで管理が可能です、歯周病は早期に介入すべき病気です。
むし歯や歯周病よりもそれらの「放置」がなによりの抜歯原因です。歯が失われる前にできることがたくさんあります、歯科の定期受診をぜひご検討・ご継続ください。